アリミノを見落とさないように気をつけます。
確かにそうでしょう。
そうとでも考えなければ、すごろくなどという単純なゲームに熱中できるわけがありません。
誰がサイコロを振ろうが、どのようにサイコロを振ろうが、サイコロの目は確率どおりにしか出ないのですから、こんなにつまらないゲームはありません。
でも、みんなすごろくに熱中したりします。
宝くじもそうです。
宝くじを買おうとする人は、当たりくじがよく出るといわれる販売店へ行きます。
それだけではなく、自分の買う番号について、自分なりの方針を持っている場合が多いようです。
宝くじというものの性質を数学的期待値で考えれば、特定の販売店で買ったり、特定の番号を買ったりすることで、当たる確率が上がるわけでは決してないことはすぐにわかります。
本来、宝くじを買う行為自体が損する行動。
期待値が負の行為なのですが、販売店や番号にこだわるということで、自分の当たる確率をよくすることができると考えているわけです。
いわゆるゲンをかつぐ、という行動です。
でも、ゲンをかつぐなんて言った瞬間に、数学的期待値の世界からは離れていってしまいます。
よくスポーツ選手などがゲンをかついで、「ツキが回ってきた」とか、「波に乗ってきた」と言う場合があります。
バスケットボールのシュートが連続で決まったりすると、「波に乗る」といいます。
選手やコーチは、こうした「波に乗る」という現象を強く信じているのですが、厳密に検証すると、あるシュートの成否がそれに先行するシュートの成否に影響されるという統計的証拠は見出されないのです。
それにもかかわらず、「波に乗る」という認識はかなり根強いと思います。
それに加えて、人間は不完全ですから「リスク認識」自体が安定していません。
たとえば、自分の知人の家が火事に遭うと、そのニュースを耳にする前に予見していた火事の「リスク」は増大してしまいます。
つまり、ある事象が起こる前の「リスク認識」よりも、事象が起こった後の「リスク認識」のほうが高いのです。
これは、各種の心理学の実験で確認されている事実です。
わたしたちはそういう「リスク」とは関係のない「リスク認識」の揺らぎの中で、資産運用をすることになるのです。
「リスク」の幻想にすぎない「リスク認識」に振り回されて、的確な投資戦略を遂行できるでしょうか。
できるはずがありません。
だからこそ、勝手な思い込みで誤った方向に突っ走ることのないようにするために、行動を起こす前に骨太の投資戦略を構築して、揺れやすい自分自身の心理と戦いながら、それを遵守していくというプロセスを踏む必要があるのです。
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